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北向観音
薬師堂

北向観音 薬師堂
正式名称/別称きたむきさん じょうらくじ おんせんやくしるりでん
北向山 常楽寺 温泉薬師瑠璃殿
規模
★★☆☆☆
斜面部:自然懸崖
懸造り部:木造 桁行三間 梁間四間 貫四段 懸崖型凸型
上屋部:木造 入母屋造り唐破風付 桟瓦葺き 桁行三間 梁間三間 勾欄付廻縁
文化的価値
★★★☆☆
創建年代不明
寛保2(1741)年 湯川の氾濫で流出
文化6(1809)年 再建
宗教的価値
★★★★☆
本尊:薬師瑠璃光如来
開祖:慈覚大師円仁
中部四十九薬師霊場 第二番
信濃三十三観音札所(霊場) 客番
善光寺系
秘境度
★★☆☆☆
山道なし 石段なし
〒386-1431
長野県上田市別所温泉1666
上田電鉄別所温泉駅より徒歩約10分
眺望
★★★☆☆
北面(正面)よりほぼ三面、別所温泉旅館街が見渡せる
信州上田市一帯に広がる塩田平(しおただいら)の西端に別所温泉がある。ここは古くから武士や庶民に愛されてきた由緒ある温泉地だが、同時に神社仏閣が至るところに点在し「信州の鎌倉」と呼ばれている。国宝や重要文化財に指定された堂宇や塔は街の外に多いのだが、温泉街の中心にあり多くの参詣客が訪れるのが北向観音(きたむきかんのん)だ。長野市にある善光寺に似た形の本堂は北向きに建てられており、南向きの善光寺と合わせて、両方を参詣すると深いご利益が得られるとされる。そんな境内の一角には、懸造りの薬師堂(やくしどう)がひっそりと立っていた。
北向観音 薬師堂1
北向観音・不動堂の脇の斜面には、薬師堂がそびえ立っていた
北向観音 薬師堂2
正式には、温泉薬師瑠璃殿(おんせんやくしるりでん)というらしい
北向観音 薬師堂3
懸造りの直下、文人墨客の石碑が立ち並ぶ斜面を勝手に登り、薬師堂に接近してみた
普通の懸造りよりも柱が細いような気がする
北向観音 薬師堂4
舞台の上からは、ちょうど別所温泉の旅館街を見下ろすことができた
北向観音 薬師堂5
堂宇の形状に合わせてか、懸造り部も凸型になっているところが珍しい
北向観音 薬師堂6
善光寺のミニチュア版ともいえそうな、北向観音堂
PHOTO BY OLYMPUS E-620, JUL. 2009

古文書・古画に見る懸造り

『善光寺道名所図会 巻之五 別所細見惣図』

地誌
豊田庸園 著、小田切春江 補画
嘉永2(1849)年 刊行
北向観音 薬師堂・地誌
美濃国の家臣豊田庸園(利忠)が、北国西街道を経て善光寺へ、更に善光寺から北国街道で碓氷峠へと至るまでの各宿場と名所旧跡を示した地誌である。
北向観音を含めた別所温泉一帯の鳥瞰図だが、中央部分に薬師堂が印象的に描かれている。国宝としても有名な安楽寺八角三重塔も、右下の方に僅かに確認できる。