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懸造りランキング

評価項目別 都道府県別 おすすめ 構造系 ビュー系 ヘン系

懸造りの評価項目

★5〜1規模文化的価値宗教的価値秘境度眺望
★★★★★長谷寺 本堂/石山寺 本堂 級世界遺産/国宝/奇想遺産総本山/本尊が国宝山間部/山道あり抜群/海が見える/地平10km以上
★★★★日龍峯寺 本堂/一乗寺 本堂 級重要文化財/室町時代以前の建立三大札所(西国、坂東、秩父)農村部良い/地平5〜10km程度
★★★小菅神社 奥社/上醍醐寺 如意輪堂 級都道府県指定文化財地方札所市街/鉄道駅等から徒歩15分以上悪くはないが、山間部で地平5km未満
★★鷹栖観音堂/妙見寺 観音堂 級市区町村指定文化財庶民信仰鉄道駅等近く木々などで一部遮られてはいるが眺望はある
地蔵倉/長楽寺 観音堂 級昭和時代以降の建立特に宗教関連なしターミナル駅近く/都会目の前、周りは森林
+★
加点要素
束柱の高さがある浮世絵等の古画に描かれる有名僧が関与天然記念物、自然公園等あり見るべき特徴的なものがある

◆ 総合ポイント (規模+文化的価値+宗教的価値+秘境度+眺望)

1

上醍醐寺 如意輪堂
上醍醐寺 如意輪堂

総合:22
規模:3、文化的価値:5、宗教的価値:4、秘境度:5、眺望:5

総合ポイントの接戦を制したのは、上醍醐寺 如意輪堂。 規模としては標準的なものの、秘境度と眺望が抜群で、頭一つ飛び抜けた。一度は訪れてみる価値あり。

2

長谷寺 本堂
長谷寺 本堂

総合:21
規模:5、文化的価値:5、宗教的価値:5、秘境度:3、眺望:3

1位に次ぐポイントが同点で二箇所あるが、五つ星を三つ獲得した長谷寺 本堂が2位。 古の時代より、懸造りの総本山として、広く全国にその名が知れ渡っている。

3

笠森観音
笠森観音

総合:21
規模:4、文化的価値:5、宗教的価値:4、秘境度:5、眺望:3

規模と秘境度に加点要素があったため、3位。しかし、日本を代表する四方懸造りの存在は、あまりにも大きい。東日本では断トツのトップ。

4

清水寺 本堂
清水寺 本堂

総合:20
規模:5、文化的価値:5、宗教的価値:5、秘境度:1、眺望:4

1〜3位にも引けを取らない世界的にも有名な懸造り建築だが、秘境度に重みをおく当ランキングでは点を稼げず。逆にいえば、最も行きやすく、素晴らしい懸造りということ。

5

三徳山 三佛寺 投入堂
三徳山 三佛寺 投入堂

総合:20
規模:2、文化的価値:5、宗教的価値:4、秘境度:5、眺望:4

4、5位は総合ポイント20点で、清水寺 本堂と日吉大社の二つ、三徳山 三佛寺の三つの計六箇所がランクイン。五つ星の多さから、4位を清水寺 本堂、5位を三徳山 三佛寺 投入堂とした。

◆ 規模

1

清水寺 本堂
清水寺 本堂

★★★★★

規模が満点の五つ星を獲得した懸造りは四箇所。どれも甲乙つけがたく、懸造りの認知度も高いものばかりだが、束柱の高さから、清水寺 本堂を1位とした。左右の翼廊が付いた寄棟造りもダイナミックである。

2

長谷寺 本堂
長谷寺 本堂

★★★★★

こちらも高さのある束柱で広い舞台も付いているが、清水寺には及ばないので2位。 堂内に足を踏み入れてみると、正堂や相の間、礼堂といった、増築による複雑な造りを実感できる。

3

石山寺 本堂
石山寺 本堂

★★★★★

石山寺 本堂も、長谷寺と同じく、増築により建物の規模が増え、懸造りとなっていった代表的な寺院。残念なのは、その全景を綺麗に眺められるスポットがないこと。

4

祐徳稲荷神社
祐徳稲荷神社

★★★★★

五つ星ではあるものの、TOP3の懸造りとは大きな開きがある。 理由は、構造が鉄筋コンクリート造であり、文化財指定もないため。 1位の清水寺 本堂をしのぐ高さではあるが、舞台とも展望台とも呼び難い。

5

日龍峯寺 本堂
日龍峯寺 本堂

★★★★

四つ星の懸造りはたくさんあるものの、判断基準のベースとなりそうな大きさに加え、高さも兼ね備えている、日龍峯寺 本堂と書写山 圓教寺 摩尼殿の二箇所を5位の候補とした。日龍峯寺 本堂の方が、下から見上げた時のダイナミックさが勝り、木造階段も存在感がある。

6

書写山 圓教寺 摩尼殿
書写山 圓教寺 摩尼殿

★★★★

広大な伽藍で、見ごたえのある堂宇が並ぶ書写山 圓教寺の中でも、やはり中心的な存在なのがこの摩尼殿。

◆ 文化的価値

1

清水寺 本堂
清水寺 本堂

★★★★★

世界または日本の文化財に指定されてるものを文化的価値として評価した。このうち世界文化遺産もしくは国宝だと、文句なく五つ星としているが、その両方の肩書きを併せ持つ懸造りが三箇所もある。世界遺産と国宝の登録順から、清水寺 本堂が1位。

2

上醍醐寺 清瀧宮拝殿
上醍醐寺 清瀧宮拝殿

★★★★★

国宝の登録タイミングが清水寺にわずかに遅れて2位なのが、上醍醐寺 清瀧宮拝殿。懸造り的にはメジャーではないが、それでも国宝らしく、細部にまで目を凝らすと、素晴らしい造りだと納得できる。

3

東大寺 二月堂
東大寺 二月堂

★★★★★

3位が東大寺 二月堂。世界遺産も国宝も、2000年前後に相次いで登録されている。

4

三徳山 三佛寺 投入堂
三徳山 三佛寺 投入堂

★★★★★

世界遺産ではないが、国宝の肩書きを持つ懸造りもたくさんある。更に、日本遺産や日本三大投入堂にも指定されている三徳山 三佛寺 投入堂が4位。

5

室生寺 金堂
室生寺 金堂

★★★★★

室生寺 金堂は建物もその本尊も国宝で、贅沢な文化財鑑賞を堪能できる。

◆ 宗教的価値

1

清水寺 本堂
清水寺 本堂

★★★★★

全国に同名の寺を多く持つ、本家・総本山の名刹が1-2フィニッシュ。懸造り建築さえも広く伝播していることから、その影響力は計り知れない。懸造りの数だけでなく、「○○の清水」という寺も多いことから、清水寺に軍配を上げる。全国の清水寺には、本家と同じ「きよみずでら」と、音読みの「せいすいじ」がある。

2

長谷寺 本堂
長谷寺 本堂

★★★★★

奈良初瀬を総本山とする長谷寺も、同名で懸造りの寺を多く持つが、清水寺には及ばない。類似した舞台造りでも、木造ではなく石垣で舞台を造っているところもあるが、当サイトでは取り上げていない。「はせでら」の他に「ちょうこくじ」と読む寺もある。

3

室生寺 金堂
室生寺 金堂

★★★★★

古来、女人禁制だった高野山に対し、女性信者を広く受け入れた山林修行の道場であったことから「女人高野」と呼ばれる。境内には、国宝の建物や仏像が数多く存在し、宗教的価値も申し分ないが、西国三十三観音札所などの霊場に入っていないことから、3位とした。

4

笠森観音
笠森観音

★★★★

坂東三十三観音札所から選出した笠森観音が4位。開基が伝教大師最澄など、関東における知名度も抜群。

5

書写山 圓教寺 摩尼殿
書写山 圓教寺 摩尼殿

★★★★

西国三十三観音札所から選出した書写山 圓教寺 摩尼殿が5位。「西の比叡山」としても名高い。

◆ 秘境度

1

三徳山 三佛寺
三徳山 三佛寺 投入堂

★★★★★

秘境度は簡単にいってしまえば、行きにくい山奥などの場所にあるということ。「なんでこんなところに建てたの?」という疑問を存分に味わえる、山行時間の長さと行程の険しさでランキングした。三徳山 三佛寺は受付で靴裏や同行者等のチェックを受けてから参拝登山に臨む。難所だらけだが、要所要所に懸造りのお堂もあり、見所が多い。

2

聖神社
聖神社

★★★★★

高知県の山奥で、誰も近寄れないような断崖絶壁に空いた洞窟内に聖神社は立っている。「土佐の投入堂」とはよく言ったものだ。認知度が低いため、登山口まで行く道路も狭く、案内板も少ない。沢沿いに登る険しい登山道も、手作り感の残る吊り橋や木製の梯子があって、秘境感を増している。

3

釣瓶山八幡神社 本殿
釣瓶山八幡神社 本殿

★★★★★

ランキング上位は車で行けるところまでも、狭い道か林道になるケースが多い。 そこから山行になっても、道なき道≒けもの道という場合も稀にある。 急斜面をロープを伝って登るのはここぐらい。

4

岩州の薬師堂
岩州の薬師堂

★★★★★

岩州の薬師堂があるのは、奇岩群や山城跡もある山間部の岩州公園内。 案内板や標識が劣化していて、進む方向や距離がわかりにくい上に、けもの道と化しているところも多かった。

5

小菅神社 奥社
小菅神社 奥社

★★★★★

小菅神社 奥社は、役小角が開基した修験の山ということで三徳山 三佛寺とも共通する。集落の外れにある鳥居をくぐって、熊も出没するという山道を延々と登ってたどり着く。片道に1時間かかるところは、三徳山以上。

6

布引観音
布引観音 観音堂

★★★★★

巨岩あり滝ありの布引渓谷を登っていくのは、正にスリル満点。いくつかの岩や滝、穴には名前が付けられていて、その由来を読みながら歩みを進めるのも楽しい。昔から多くの参詣者が往来した証なのだろう。山道を登り詰めると、今度は断崖絶壁をくりぬいたトンネルも待っている。

7

地蔵倉
地蔵倉

★★★★★

「秘境」という言葉から、インディ・ジョーンズやマチュ・ピチュのような、冒険の果てにたどり着く遺跡といったイメージを連想するのは私だけだろうか。遠くの海外にわざわざ出かけずとも、日本国内にもそんなロマンを十分に味わえる懸造りがある。
玄関口となる肘折温泉にたどり着くだけでも、山深いところへやって来た感じがするのだが、そこから徒歩で険しい道を歩き、断崖に抱かれた小さなお堂を目の当たりにすると、その気分も最高潮に達すること間違いなし!

◆ 眺望

1

苗木城跡
苗木城跡

★★★★★

眺望は、懸造りや舞台の上からどこまで遠くまで見渡せるかということ。海に面した懸造りもいくつかあるのだが、距離感を感じるにはやはり内陸側になってしまう。1位とした苗木城跡は、山の頂にあり、360度全方向での眺めが素晴らしい。眼下に流れる川も遥か先まで見通せて、開放感が抜群である。

2

上醍醐寺 如意輪堂
上醍醐寺 如意輪堂

★★★★★

2位の上醍醐寺 如意輪堂も山頂に建つ懸造りである。手前の山越に、大阪の市街地や大阪湾まで見渡せるとは、少々ビックリ。これぞ、山道を1時間以上もかけて登ってきた甲斐があるというもの。

3

山寺 五大堂
山寺 五大堂

★★★★★

遠くまで見渡せるという点では、他にも素晴らしい場所があるものの、高い位置にある懸造りという理由での眺望の良さから、山寺 五大堂を3位にあげる。空中に浮かんでいるような雰囲気を味わえるのはここだけだろう。

4

宮沢の金比羅神社 神楽殿
宮沢の金比羅神社 神楽殿

★★★★★

山寺 五大堂と同じような立地条件である金比羅神社 神楽殿も、眺めが素晴らしい展望台だ。佐久平やそこを流れる千曲川が見渡せ、遠くには特徴的な形の浅間山や蓼科山も見える。「眺望百選」という肩書きまで持っているので、これは外せないだろう。

5

妙見寺 観音堂
妙見寺 観音堂

★★★★★

海に面したビューポイントにもなっている懸造りをあげるなら、妙見寺 観音堂が一番だ。瀬戸内海とそこに浮かぶ小島という絶景を、落ち着いた雰囲気で鑑賞することができる。

◆ 都道府県別

1

長野県
布引観音 観音堂

懸造り数:59

なぜ長野県にこれほど多いのかは、単に山国だからという理由だけではないだろう。 特に県内を流れる千曲川沿いに、上流の東信から下流の北信にかけて広く分布し、それも東側の右岸に多い。戦国〜江戸時代にかけての信濃国の有力な武家であった、真田氏に縁のある地域にも集中していることが不思議だ。
サムネイルは、県内最高19ポイントの布引観音 観音堂。

2

京都府
上醍醐寺 如意輪堂

懸造り数:26

平安京の時代から密度の濃い宗教エリアということから、当然の結果ともいえる。あまりにも有名な清水寺で見過ごされがちだが、穴場的スポットも多い。
サムネイルは、府内最高22ポイントの上醍醐寺 如意輪堂。

3

滋賀県
日吉大社 牛尾宮

懸造り数:22

滋賀県の中でも大津市には12個の懸造りがあり、政令市を除く自治体単位では2位である。巨石の多い地域でもあり、それに寄り添うような懸造りも目立つ。トップの長野県とは「海なし県」で共通するが、海がなければ山が多く、懸造りの立つ斜面も多いことにはならないと思う。ただし、琵琶湖に浮かぶ島の中にも、懸造りがあるというのはさすが。
サムネイルは、県内最高20ポイントの日吉大社 牛尾宮。

4

兵庫県
書写山 圓教寺 摩尼殿

懸造り数:13

兵庫県は隣県鳥取に近い姫路市以西に懸造りが集中している。同じく懸造りの多い鳥取から伝播してきたのかな。
サムネイルは、県内最高19ポイントの書写山 圓教寺 摩尼殿。

5

奈良県
長谷寺 本堂

懸造り数:11

奈良県も日本史には欠かせない古からの都であるが、海なし県の性格が強いためか、東大寺 二月堂を除けば、ほぼ山深い地域に懸造りが点在している。
サムネイルは、県内最高21ポイントの長谷寺 本堂。

6

大分県
龍岩寺 奥院礼堂

懸造り数:10

大分県内でも、特に国東半島〜耶馬溪付近に懸造りが集中している。この地域には、磨崖仏や石仏が多かったり、奇岩の景勝地でもあったりと、岩石と宗教が融合したワンダーランドなのだ。
サムネイルは、県内最高17ポイントの龍岩寺 奥院礼堂。

7

鳥取県
三徳山 三佛寺 投入堂

懸造り数:8

鳥取県は懸造りの聖地。県中心部の三朝町と倉吉市に7つ、しかも半分の4つが三徳山 三佛寺に集中している。この地域には、すぐ懸造りを建てようという発想があったのだろうか。
サムネイルは、県内最高20ポイントの三徳山 三佛寺 投入堂。

◆ 当サイトのおすすめ

1

左下観音堂
左下観音堂
当サイト管理人がおすすめするのは、人知れずひっそりと立つ、素朴な懸造りというコンセプト。
記念すべき懸造りツアーの第1弾として訪れた左下観音堂が、最初にして最高のインパクトを誇っている。

2

滝野不動堂
滝野不動堂
急な崖ではないのだが、長閑な田園風景の中にポツンとあるのが印象的な滝野不動堂。近寄って堂宇をよく観察すると、味わい深いものがじわじわと感じられてくるのが良い。

3

大久山 長谷寺
大久山 長谷寺
九州の懸造り聖地である国東半島エリアにして、超穴場的存在の大久山 長谷寺。メジャーな懸造りを順にめぐってはいたものの、どこか物足りなさを感じていたのだが、最後にここへたどり着いてみたら、「そうそう、これだよこれ!」という、なんともいえない安心感と安らぎを得られた。

4

赤和観音
赤和観音
古くからある観音堂というのは、たいてい集落の外れの高台の上に立っている。 洪水などの災害が起きたときに備えての、避難所や集合場所になっていたようだ。 この赤和観音も紛れもなくそういった立地で、地元民から大切に守られている建物という気がする。

5

虫歌山 桑台院
虫歌山 桑台院
虫歌山 桑台院を気に入っている理由は3つ。
  1. 近代的な建築要素が入っていない、自然に溶け込んだ、素朴で昔ながらの雰囲気が残る境内。
  2. 厚い庶民信仰に繋がる縁起がある。
  3. 見応えのある、ダイナミックな木造の懸造り。
このうちのどれかを含んでいる懸造りは高評価なのだが、ここまで揃っている所は滅多にない。

■ 構造系

◆ 日本三大投入堂

1

三徳山 三佛寺 投入堂
三徳山 三佛寺 投入堂
オリジナルでもある投入堂のすごさは、現代に残された古い建築様式や険しい崖の立地条件もあるだろうが、アプローチの素晴らしさもその魅力の一つ。急過ぎる山道を登り、文殊堂や地蔵堂などのいくつかの懸造りを目の当たりにしながらも、最後に洞窟を抜けたのも束の間、右旋回しながら岩場を回り込むと、突然姿を現すという演出が心憎い!

2

不動院岩屋堂
不動院岩屋堂
鳥取県は知る人ぞ知る懸造り大国だ。三大投入堂のうち3分の2が存在するのは、貴重な観光資源といっていいだろう。当サイトが主張する「懸造り街道」の始点(もしくは終点)としても、周遊ツアーが楽しめる。

3

龍岩寺 奥院礼堂
龍岩寺 奥院礼堂
三大投入堂はその立地だけでなく、どれも古風な造りが特徴的。山岳修行が盛んな修験道の影響で建てられたものと思われる。龍岩寺 奥院礼堂も三徳山 投入堂に似たアプローチやアングルだが、先に下から眺めることができる。
次点
聖神社
聖神社

「土佐の投入堂」

高知県の人里離れた山奥に鎮座するお堂。断崖絶壁にポッカリ空いた岩屋は、「対岸」という眺望ポイントから是非眺めたい。登山道もまだまだ整備途中の感じで、険しさ的には三徳山 投入堂に匹敵するかそれ以上。
次点
寂光不動
寂光不動

「房総の投入堂」

房総半島は意外にも懸造りの宝庫。堂宇の構造的には虚弱すぎる感じだが、立地的には投入堂らしさを味わえる。こちらも超穴場的スポットで、最寄りの駐車場からもたっぷり1km以上は山歩きが必要となる。
次点
岩屋神社境内社 熊野神社
岩屋神社境内社 熊野神社

「九州の投入堂」

先述の三大投入堂の一つが九州・大分県にあるのだが、こちらの熊野神社の方が「九州の投入堂」と呼ぶにふさわしい。急な絶壁に埋め込まれいている具合や、小さく弱々しい造りなどが三徳山 三佛寺 投入堂によく似ている。
次点
岩州の薬師堂
岩州の薬師堂

「信州の投入堂」

長野県にも岩屋に建つ懸造りはいくつかあるものの、この岩州の薬師堂が最も投入堂っぽい。たどり着くまでの山道の険しさに、終着点のおどろおどろしい雰囲気が、信州をモデルとしたりロケも行った、映画『楢山節考』を彷彿とさせ、「投入堂」という響きにマッチしている。

◆ 四方懸造り

1

笠森観音
笠森観音
笠森観音は現地でもらえるパンフレットや公式サイトでも、「日本唯一の四方懸造り」を大々的なキャッチコピーとしている。当サイトでも長らくそれに便乗してきたが、2例目となる四方懸造りを発見してしまったので、残念ながら唯一ではなくなった。

2

筒木原不動尊
筒木原不動尊
四方懸造りとは、文字通り、岩や斜面に建て懸けた束柱が、堂宇の四面全てに存在する形式のこと。この筒木原不動尊も訪れてみて初めて判明したが、上屋部の廻縁をぐるりと一周まわって、入口の階段まで戻ってこられるようになっている。この間、廻縁から下に降りられるところはない。つまり、堂宇が他の斜面に接することなく、岩の上に完全に覆い被さっているのだ。

◆ 似てる

1

石山寺 本堂
石山寺 本堂


書写山 圓教寺 摩尼殿
書写山 圓教寺 摩尼殿

どちらも国宝級の建造物が多く点在する広大な伽藍に、シンボルのように立っているメインの堂宇。右手から回り込んで堂内に入るところや、建物そのものの規模や構造もよく似ている。

2

等々力不動尊
等々力不動尊


打吹山 長谷寺
打吹山 長谷寺

石段を下から登ってくると、四角形で吹き抜けの懸造りが姿を現すが、その見上げた角度もそっくり。

3

三徳山 三佛寺 投入堂
三徳山 三佛寺 投入堂


龍岩寺 奥院礼堂
龍岩寺 奥院礼堂


岩屋神社境内社 熊野神社
岩屋神社境内社 熊野神社

山道を登ってようやくたどり着いた先には、垂直の絶壁の下の窪みに見事にはめ込まれた、古式な造りが待ち構える。

4

北向観音堂
北向観音堂


虫歌山 桑台院
虫歌山 桑台院


如法寺 観音堂
如法寺 観音堂

このアングルからしても相当似ているのだが、共通する点がいくつもある。

  • 所在:長野県北信地域の千曲川右岸にある。
  • 構造:平入りの入母屋造りで、妻側の一方が斜面に迫り出している。その迫り出し側を含めた二〜三間分が三方吹き抜けになっている。懸造り部は梁間一間 貫三段。
  • 宗教:観音堂で、懸造りの直上、上屋の妻側中央部に扁額が掛かっている。
この地域のメジャーな様式のようなので、「北信型」懸造りとでも呼ぼうか。

◆ ツイン

1

日吉大社
日吉大社 三宮
日吉大社 牛尾宮

琵琶湖を見下ろせる八王子山の中腹に立つ、日吉大社の三宮と牛尾宮。中央の石段を挟んで、ほぼ左右対称な造りが、完璧なまでのツイン懸造りとなっていて、他では見られない見事な構図だ。

2

大嶽山那賀都神社
大嶽山那賀都神社 絵馬殿
大嶽山那賀都神社 千栄殿

山梨県にある天狗の神社、大嶽山那賀都神社。渓谷の奥の神秘的な境内に急な石段があり、それを登り切った左右の両脇に、絵馬殿と千栄殿が向かい合って立っている。千栄殿は上屋のない舞台状の造りで、ちょっとアンバランス。

3

日龍峯寺
日龍峯寺 本堂
日龍峯寺 籠堂

日龍峯寺の二つのお堂も綺麗に真横に並んではいるが、圧倒的存在感の本堂とサブ的な籠堂とで、趣が異なる。境内を案内してくれる有名な猫がいて、とても楽しい。

4

石山寺
石山寺 本堂
石山寺 蓮如堂

石山寺も横に並んでいるのが本堂と蓮如堂だが、お堂の規模も懸造りの高さもかなりの差がある。しかし石山寺にはこの二つだけでなく、広い境内の奥には近年建てられた第三の懸造り、光堂も待ち構えている。

◆ 危機リスト

1

岩阿弥陀 釈迦堂
岩阿弥陀 釈迦堂
平成28(2016)年10月に起きた鳥取県中部地震によって、岩阿弥陀の裏手の山で土砂崩れ、落石が発生し、釈迦堂が完全倒壊してしまった。

2

南苑寺 隠寮
南苑寺 隠寮
令和3(2021)年7月に大雨による土砂崩れが発生し、隠寮が倒壊してしまった。南苑寺は現在、無住の寺院であり、再建の目途は立っていない。

3

如法寺 毘沙門堂
如法寺 毘沙門堂
平成29(2017)年5月時点の写真を見てもわかる通り、如法寺 毘沙門堂が倒壊してしまうのは時間の問題。ただし、管理者不在なわけではなく、他の文化財も維持している立派な宗教団体であることから、その気になればすぐ手は打てると思われる。同じ大洲市の他の懸造りとあわせて、保存&維持活動を継続して、町おこしをしてほしいものだ。

4

迦葉山 弥勒寺 奥の院
迦葉山 弥勒寺 奥の院
迦葉山 弥勒寺 奥の院も山奥でひっそりと荒廃が進んでいる小堂の一つだ。下の巨大な中峯堂には参拝者も絶えないことから、修復の資金がないことはないだろう。ただし立地が立地だけに、難工事となるのは容易に想像がつく。
除外
勝画楼
勝画楼
平成28(2016)年12月時点で、勝画楼の所有者である塩釜神社は、老朽化や安全面の理由から解体することを決定した。しかし由緒ある建築物であることから、塩竈市議会にて保存のための意見書が出されたようである。

建物が塩釜神社から塩竈市に譲渡され、平成30(2018)年10月に市指定有形文化財に登録された。この結果、存亡の危機から脱したので、当リストからは外すこととする。

除外
少彦名神社 参籠殿
少彦名神社 参籠殿
少彦名神社 参籠殿は危機リストに入ったことで一躍有名になった懸造り。そのリストとはワールド・モニュメント財団(WMF)の危機遺産で、このファンドからの資金援助を受けて、見事に復興再建した。その活動が評価され、ユネスコや大洲市から表彰された。

◆ 非木造

1

石手寺 観音堂
石手寺 観音堂
懸造りの醍醐味はやはり木造で、しかも年代を感じさせる巨大な構造を真下から見上げるのに限る。それと相反するものもいくつか訪れたので、ワーストランキングとしてみた。
かつては木造だったらしい建物が、鉄筋コンクリートや鉄骨で建て直されたケースが多いが、あからさまに打ちっ放しとしたものは興ざめしてしまう。石手寺 観音堂も、四国八十八ヶ所めぐりのお寺として有名なのに、境内の隅で誰も訪れなくなったような感じが非常に残念だ。

2

立木観音
立木観音
懸造りとしてはビッグネームの石山寺のすぐ南にあり、弘法大師空海が開いたお寺ということで最初から期待値の高かったのがこの立木観音。700段もある石段を延々と登らなければたどり着けないので、さぞ苦労の甲斐もあるのだろうと思っていたら、残念なことに鉄筋コンクリート造りだった。しかも、真下から見上げることもほぼできないばかりか、懸造りがどこにあるのかも分かりにくい有様。

3

祐徳稲荷神社
祐徳稲荷神社
佐賀県にある日本三大稲荷の一つ祐徳稲荷神社は、豪華絢爛な総鉄筋コンクリート造り。巨大で色も鮮やかなので、日本建築らしいわびさびは感じられないが、ガッカリ感はなく、ただただ圧倒されるのみ。

4

那谷寺 鎮守堂
那谷寺 鎮守堂
那谷寺は重要文化財で懸造りの本堂(大悲閣)と、荒々しい岩山の奇岩遊仙境が最大の見どころ。もう一つの懸造りである鎮守堂は、懸造り部も上屋部も総鉄筋コンクリート造り。木造三重塔から鎮守堂へ至るまでの朱塗りの楓月橋も鉄筋コン。豊かな自然の境内なのだから、もう少し調和のとれた建築にすればいいのにと思った。

■ ビュー系

◆ オーシャンビュー

1

妙見寺 観音堂
妙見寺 観音堂
海に面した懸造りはいくつかあるものの、そこから見えるのが単なる大海原ではなく、複雑な地形が含まれる方が眺望の良さが増すというものだろう。小島の浮かぶ瀬戸内海は、正に風光明媚という言葉がピッタリで、妙見寺 観音堂は山の斜面にある最高の展望台だ。

2

大福寺 崖の観音
大福寺 崖の観音
崖の観音とは懸造りとしてはそのまんま過ぎる名称だが、下から見上げた姿も眺望が良いのも名前負けはしていない。館山市街から館山湾、更には相模灘まで広く見渡せる。

3

七福天寺
七福天寺
房総半島からもう一箇所選出。七福天寺は半島の最東端に位置しているので、初日の出を見るには最高の立地だ。そのビューポイントの懸造りは、お寺というよりはカフェに併設されたウッドデッキのようになっている。

◆ 花見

1

筑波山梅林 展望四阿
筑波山梅林 展望四阿
花見と銘打ってみたものの、いきなり桜ではなく梅。その名の通り筑波山中の梅林公園の中に、展望目的で近年建てられた懸造りである。周囲の梅林を眼下に一望できるようになっているので、梅の花見としては絶好のロケーション。2〜3月には大賑わいとなる。

2

寛永寺 清水観音堂
寛永寺 清水観音堂
江戸時代より桜の名所として知られた清水観音堂。上野不忍池を見下ろす舞台の上からの花見の構図が、いくつもの浮世絵に残されている。

3

長谷寺 本堂
長谷寺 本堂
別名、牡丹寺(ぼたんでら)とも呼ばれる奈良初瀬の長谷寺。舞台造りの本堂に至るまでの登廊の両脇に、牡丹の花壇が広がる。全国にも広まった同名の末寺でも、牡丹で有名な寺が多い。

◆ 味わいのある町並み

1

西方寺 普明閣
西方寺 普明閣
広島県竹原市には、重要伝統的建造物群保存地区に指定された古き良き町並みが残り、高台にある真紅の普明閣からは、その全貌が見渡せる。映画やアニメの舞台としても広く知られ、多くの観光客を引き付けている。

2

臥龍山荘 不老庵
臥龍山荘 不老庵
愛媛県大洲市は肱川の蛇行する盆地で、川に面するように懸造りが狭いエリアに四つも存在する。城下町の一部で、臥龍山荘に向かう途中には明治の家並みが残っている。

3

本楽寺
本楽寺
本楽寺は徳島県美馬市を流れる吉野川に面した南岸の斜面に立っている。そこから少し離れた北側の対岸には「うだつの町並み」というエリアがある。いつまで経っても出世できないことを「うだつの上がらない」というが、ここではうだつが上がりまくった家々を見ることができる。

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妙見寺 観音堂
妙見寺 観音堂
兵庫県赤穂市の瀬戸内海に面した宝珠山の山麓に妙見寺 観音堂があり、穏やかな海と島々を見下ろせる格好のポイントである。眼下の坂越という港町には、湾に面して風情ある石畳の通りが広がる。

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打吹山 長谷寺
打吹山 長谷寺
鳥取県倉吉市の打吹山中に長谷寺はあるのだけど、残念ながらこの懸造りからは、直接町並みは眺められない。山の北側には、白壁に赤瓦で覆われた土が連なる町並みが広がっており、こちらも近年、漫画やアニメにあやかった町おこしが盛んである。

◆ 仏塔を眺める

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一乗寺 金堂
一乗寺 金堂
懸造りは当然のことながら仏教寺院に多いのだが、同じ堂宇の一種である仏塔と並び立つことは意外に少ない。一乗寺は境内が斜面に沿って広がっていて、石段を順に登っていくと途中に国宝の三重塔が待ち構えている。そこを更に上へ登ったところが金堂で、懸造りから三重塔を間近に見下ろせるのがよい。

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長谷寺 本堂
長谷寺 本堂
長谷寺は広大な斜面に境内が広がっており、堂宇の一つに朱塗りの五重塔もある。ちょうど懸造りの廻縁の端から眺めることができる。もともと三重塔もあったのだが、焼失してしまったので、昭和になってから別の場所に五重塔が建てられた。

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金剛院 雲山閣
金剛院 雲山閣
金剛院 雲山閣からも重要文化財の三重塔を見下ろすことができる。といっても、舞台の上は立入禁止なので、ジャングルジムのような懸造りの内側からとなる。しかも、周囲の木々が緑に覆われていない季節に限られる。三重塔をメインに見に行くなら、真っ赤に染まる紅葉の時期がベストシーズンだ。

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如意寺 文殊堂
如意寺 文殊堂
一乗寺にもほど近い兵庫県神戸市の如意寺も、三重塔と懸造りをセットで眺められる。ただし、こちらは懸造りの上からというわけではない。三重塔の方が高い位置にあるので、見下ろされるのが文殊堂側になる。

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談山神社 拝殿
談山神社 拝殿
神社の境内に仏塔があるというのはよく考えれば変な感じだが、そういうところは漏れなく神仏習合の名残りということになる。そんな中でも日本唯一いや、世界唯一といえる木造十三重塔の姿は圧巻で、談山神社のシンボルになっている。

■ ヘン系

◆ ヘンな造り

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ブランド薬師
ブランド薬師
懸造りといえば、通常斜面に束柱を立てて木組みの櫓を造るのだが、ブランド薬師には束柱がない。絶壁に横穴を開けて柱を打ち込み、その上に堂宇が建てられている。浮世絵等にも残っている通り、江戸時代の頃よりこのような造りだったようだ。なぜ束柱がないのかは謎だが、何度か崩落している経緯から、考案された造りなのかもしれない。

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七福天寺
七福天寺
この特徴的な外観からして、通常の懸造りではないことは一目瞭然。近代的な建築工法による、V字型の木組みで斜面に建てられている。こういったケースが他にも増えてくれると、非常に面白い建築群になってくると思う。

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肬水神社
肬水神社
白漆喰壁の上屋だけを見ると、なんてことはない普通の造りなのだが、それが建っている場所がスゴイ。 巨大な二つの岩の上に乗っかった、ひ弱な造りの櫓で支えられているのだ。 その間には床下に向かって伸びた階段があり、そこから上屋に入り込めるようになっている。

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磯前神社
磯前神社
磯前神社の社殿は、ほぼこの角度からの眺めしかないが、これだけでも普通ではないことがわかる。 急斜面に横たわる巨石にあわせて、独特な造りとして設計されたのだろう。 一間の束柱の間に縦格子が付いていて、これが床下を進む通路の入口になっている。

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岩室観音
岩室観音
堂宇の下が斜面であるため、懸造りを建てるのが一般的なのに対し、この岩室観音は堂宇の内側に岩肌の斜面がある。その岩を包み込むように柱や階段が懸けられているので、一応懸造りと呼んでいるが、これは異色中の異色。平地にあって、岩や洞窟を利用した堂宇というのも岩室観音以外にもあるようなので、今後もいくつかの事例を調査する。

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天岩戸神社
天岩戸神社
渓流の巨大な岩肌の上に建てられているのが天岩戸神社で、立地の面積(建床面積)としては史上最小の狭さといえるだろう。ただし床というものがない、懸造りから直接社殿になっている建物で、立入禁止だった他の懸造りを除けば、上屋に上がることのできなかった唯一の例となる。

◆ ヘンな参詣路

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地蔵倉
地蔵倉
肘折温泉街から始まる参詣路は、一山越えて、一旦国道に出てから、その後、怪しげな紅白のガードレールに誘導される。なかなか目的の懸造りが見えてこないので、山の中に分け入るにつれて、本当にこの先に目指す地蔵倉があるのか?と思えてしまうのだが、諦めずに頑張って山道を登って行こう。小さなお堂を見つけられたときには、感激すること間違いなし!

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円融寺 岩井堂
円融寺 岩井堂
秩父三十四観音札所の一つでもあるのだが、円融寺の奥の院岩井堂を目指していくと、何故か民間企業の工場の入口に突き当たる。道を間違えたか?と思っていたら、守衛さんが手際よく「岩井堂はこちらですよ」と案内してくれた。恐る恐る工場の敷地を抜けた先には、地獄の石段が待ち構えていた。

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鷹栖観音堂
鷹栖観音堂
鷹栖観音堂は駅館川(やっかんがわ)という川に面して立っているのだが、広々とした駐車場が川の対面に整備されている。そこから徒歩で鷹栖観音堂に向かうには、いきなりつり橋を渡ることになる。つり橋といっても近代的な造りで、揺れる心配もなく高さもそれほどないので、安心して行ける。

◆ けもの道

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釣瓶山八幡神社 本殿
釣瓶山八幡神社 本殿
秘境度が五つ星の中から、たどり着くのが難しい「難易度」という観点で選出した。案内板などのガイドが極端に少なく、人が歩く山道とも言い難いような「けもの道」を行くこともしばしば。釣瓶山八幡神社 本殿はそんな山の急斜面にロープが垂れ下がっているをの辛うじて発見し、よじ登ってたどり着くことができた。

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岩州の薬師堂
岩州の薬師堂
熊出没注意の看板が立つ、岩州公園の入口はまだまだ序の口。距離感や方向がまるでわからない古い地図や、奇岩や城跡の名称だけを示した文字板しか頼る術がない。事前に、WebでヤマレコやYAMAPで登山者のログを見て、行程を頭にたたき込んできたつもりだったが、その地図をプリントアウトしてこなかったのが裏目に出た。この方向のはずがないとか、通り過ぎてしまったか?と疑心暗鬼になり、山中をウロウロしてしまった。

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妙見尊
妙見尊
妙見尊も熊出没注意の看板から登山が始まる。石灯篭と、十二丁目まで続く足元の小さな丁石だけが頼りだ。山中にある懸造りは、夏場の木々が生い茂ったシーズンだと、見通しが悪く道筋がわからなくなるところもある。そのリスク回避のため冬場に訪れて、富士山まで眺められたので大正解だった。

◆ ヘンな乗り物で行く

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羅漢寺 千体地蔵堂
羅漢寺 千体地蔵堂
スキー場でもないのに、リフトで登って行くというのはここだけだろう。リフトを使わなければ、長い石段という手もある。

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祐徳稲荷神社
祐徳稲荷神社
ヘンな乗り物という訳ではないが、エレベーターが付いている懸造りは全国でもここだけ。高い位置に移動する手段としては確かに合理的すぎるが、神社建築との組み合わせという点では違和感の方が大きい。

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書写山 圓教寺
書写山 圓教寺
大型ロープウェイで一気に登った後、そこから摩尼殿まではまだまだ距離があり、ハイキング気分で行くこともできるのだけど、手っ取り早く山上マイクロバスという手段もあった。

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千光寺 本堂
千光寺 本堂
坂と寺の町尾道は、細い路地を猫のような気分でめぐり歩くもの楽しいが、ロープウェイで一気に行くこともできる。

◆ 普通ではない用途

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つくば松実高校 体育館
つくば松実高校 体育館
山岳寺院を発端とする懸造りだが、それ以外の用途というと茶室や書院がまず挙げられ、ついで多いのは、立地的条件から来る展望台である。
それに比べると、近代的な用途としてしかあり得ず、際立って目立つのがこの体育館だ。

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滑川温泉 福島屋
滑川温泉 福島屋
山奥の秘境にある一軒宿の温泉旅館も、必要に応じて懸造りになった良い例だ。

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苗木城跡
苗木城跡
懸造りの展望台というは稀にあるのだけど、こういう構造は他に例を見ないだろう。元々は、懸造りの天守があったところに、上屋を除いて復元した結果、360度全方向を見渡せる展望台となった。

評価項目別 都道府県別 おすすめ 構造系 ビュー系 ヘン系