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長谷寺
本堂

長谷寺 本堂
正式名称/別称はせでら ほんどう/かんのんどう/だいひかく
長谷寺 本堂/観音堂/大悲閣
規模
★★★★★
斜面部:整地基壇
懸造り部:木造 桁行十二間 梁間六間 貫四段 舞台型凸型
上屋部:木造 裳階付入母屋造り 本瓦葺き 桁行九間 梁間九間 勾欄付廻縁兼舞台
文化的価値
★★★★★
国宝
日本遺産
奈良時代 建立
慶安3(1650)年 再建
宗教的価値
★★★★★
本尊:十一面観世音菩薩(重要文化財)
開基:徳道
西国三十三観音札所(霊場) 第八番
長谷系本家
秘境度
★★★☆☆
山道なし 石段あり
〒633-0193
奈良県桜井市初瀬731-1
近鉄大阪線長谷寺駅より徒歩約20分
眺望
★★★☆☆
南面(正面)より境内全体、初瀬の山並みが見渡せる
「花の御寺」「牡丹寺」として有名な長谷寺(はせでら)は、全国に数多く存在する同名の寺の総本山である。長谷寺のシンボルといえる登廊(のぼりろう)をくぐり抜けていくと、絶壁に立つ巨大な懸造りの本堂にたどり着いた。大悲閣とも呼ばれる本堂には、こちらも巨大な十一面観音が祀られており、正に観音信仰の聖地といえるお寺であった。
長谷寺1
拝観料を払って、まず最初に目にするのがこの立派な仁王門
長谷寺2
仁王門の先は、有名な登廊が伸びていた
くねくねと龍の体内を進んで行くかのような感じだった
長谷寺3
登廊の途中から見上げた本堂の懸造り
長谷寺4
清水寺のように本堂から迫り出した舞台
長谷寺5
舞台の先端からは、広大な境内がほぼ見渡せた
長谷寺6
廻縁の西端からは五重塔が眺められた
桜や紅葉の時期には、素晴らしいビューポイントとなるようだ
長谷寺7
登廊の曲がり角に立つ巨木、天狗杉
本当に天狗でも出そうな、霊的な結界を感じるお寺だ!
長谷寺8
境内には様々な堂宇があり、瓦屋根が入り組んでいるので、 天守のあるお城のようにも見える
PHOTO BY OLYMPUS E-620, SEP. 2009

古文書・古画に見る懸造り

『南都名所集 巻第九 長谷寺』

地誌
太田叙親、村井道弘 著
延宝3(1675)年 刊行
長谷寺・地誌
江戸時代早期に刊行された奈良大和の地誌。巻一〜六までは奈良を中心に、巻七以降は大和一円の寺社を紹介している。
刊行時期からすると、現存する本堂が既に建てられている頃と思われるが、破風の形がちょっと違う。

『中将姫一代記 巻之一 豊成卿御夫婦長谷寺に参篭し給ふ図』

説話、物語
寛政13(1801)年 刊行
長谷寺・説話
歌舞伎や浄瑠璃など、多くの戯曲の題材にもなった中将姫説話の一つとして刊行された「中将姫一代記」(ちゅうじょうひめいちだいき)。巻之一〜五で構成され、巻之一の冒頭に、主人公中将姫の両親が長谷寺に祈願して子を授かる場面がある。
現在も残っている本堂や登廊が忠実に描かれてはいるが、これは奈良・天平時代の話なので、当時はこの通りの伽藍だった訳ではないだろう。