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唐松観音堂

唐松観音堂
正式名称/別称からまつさん ごこくじ
唐松山 護国寺
規模
★★☆☆☆
斜面部:自然懸崖
懸造り部:木造 桁行五間 梁間三間 貫五段 筋交あり 懸崖型 外側階段あり(木製、屋根付)
上屋部:朱塗り 入母屋造り唐破風付 銅板葺き 桁行五間 梁間四間
文化的価値
★★☆☆☆
寛文元(1661)年 建立
元文2(1737)年 再建
昭和51(1976)年 再建
宗教的価値
★★★☆☆
本尊:聖観世音菩薩
最上三十三観音札所(霊場) 第五番
準清水系
秘境度
★★★☆☆
山道なし 石段あり
〒990-0012
山形県山形市大字釈迦堂字上唐松500-2
眺望
★★★☆☆
南面よりほぼ三面、眼下を流れる馬見ヶ崎川と田園風景が見渡せる
山形県の懸造りツアー最初の訪問サイトは、山形市街からすぐの唐松観音堂(からまつかんのんどう)だった。山形県庁前の国道を東へ進むこと数分で、山腹に張り付いた朱塗りのお堂が見つかった。
由来によると、源義経を奥州へ導いた金売り吉次の母が、京の都の清水観音のお告げに従い、遥々とこの地に嫁いできたという。その時持参した観音像が本尊となり、清水寺を模した懸造りの観音堂が建てられたらしい。
唐松観音堂1
ご当地山形の名物イベント「日本一の芋煮会」の巨大鍋がある駐車場からすぐ、 馬見ヶ崎川(まみがさきがわ)対岸の崖に唐松観音堂が見える
唐松観音堂2
観音橋を渡って進むと、荒々しい崖の直下に出る
ほぼ垂直に近い崖で、下から見上げた懸造りも迫力がある
唐松観音堂3
崖下を通り過ぎ、左手に回りこむと、 観音堂へ上がる屋根付きの階段が待ち構えていた
唐松観音堂4
階段途中からの眺め
ここまでは急峻な崖に立つ雰囲気が、非常によかったのだが...
唐松観音堂5
堂内に足を踏み入れてビックリ!木造堂宇ではなく、床はタイル張りだった
見晴らしはいいのだが、この金網越しというのはいかがなものか
せっかくの眺望が綺麗な写真に収められない!
唐松観音堂6
近年建て替えられた観音堂で、外観からは想像しにくい内装に少々興ざめもするが、 宗教施設としての雰囲気はなんとかあった
PHOTO BY OLYMPUS E-620, SEP. 2012

古文書・古画に見る懸造り

堂内の額に飾られていた観音堂の古写真

唐松観音堂・古写真
この唐松観音堂で唯一、高評価だったのがこの古写真。いつ頃の撮影かはわからないが、おそらく、元文2(1737)年の再建時の堂宇がこれなのかもしれない。こういう写真を残しているのなら、いつの日にかこのような姿に、忠実に木造で再建してほしいものだ。
当時はシンプルな寄棟造りで、廻縁もなかったようだ。上屋部が懸造り部よりも傾いて見え、不安定さを感じさせる年代ものの雰囲気が面白い。河川敷から撮影したようで、参詣者?のような姿も見える。
写真から読み取れる先代観音堂の構造は、以下の通り。

懸造り部:木造 桁行三〜四間 梁間一間以上 貫六段 懸崖型
上屋部:木造 寄棟造り唐破風付 桁行四〜五間 梁間不明