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地蔵倉

地蔵倉
正式名称/別称じぞうくら
地蔵倉
規模
★☆☆☆☆
斜面部:自然懸崖 岩屋あり
懸造り部:木造 桁行三間 梁間四間 貫二段 懸崖型
上屋部:木造 宝形造り 赤鉄板葺き 桁行三間 梁間三間 廻縁
文化的価値
★★★☆☆
創建年代不明
宗教的価値
★★★☆☆
本尊:地蔵菩薩
開基:源翁
秘境度
★★★★★
肘折八景
山道あり 石段あり
山形県最上郡大蔵村大字南山
眺望
★★★★☆
南面よりほぼ三面、月山方面の山々が見渡せる
山形県の中央部にある肘折(ひじおり)温泉郷。新庄方面から車を走らせると、途中で雪の重さのためだろうか、ぐにゃぐにゃと曲がったガードレールがずっと目に付いた。そんな山深いところに温泉郷が本当にあるのかと思っていたら、こじんまりとした川端の窪地に旅館が密集するように並ぶ、古き良き湯治場の雰囲気が残っていた!
地蔵倉1
狭い路地に面して、所狭しと旅館が軒を連ねる
左手の共同浴場「上の湯」は、開湯伝説に登場する肘を折った老僧が傷を癒したという由緒ある湯
地蔵倉2
「上の湯」のすぐ脇の石段の上には薬師神社があり、ここが地蔵倉へ至る遊歩道の起点になっている
地蔵倉3
温泉街の裏手の山を越え、国道458号に沿って少し進むと、道端から脇に反れて再び遊歩道を登る
ちなみにこの国道458号は、未舗装区間があったり冬季通行止めになったりと、相当の悪路らしく「酷道」とも呼ばれている
地蔵倉4
森の中を抜けて、視界が開けてきたと思いきや、いきなり目の前には紅白のガードパイプが無数に繋がる光景に出くわした!
地蔵倉5
それもそのはず、この崖っぷちに人一人しか通れないような道が掘ってあるためだ!珍百景的な異様な光景だが、これがないと本当に滑落しそう...
地蔵倉6
ガードパイプに沿ってなんとか崖を過ぎると、目の前の一本松のところで左手に急旋回
かなり危険なヒヤヒヤした散策でも、ここからは眺望だけがいいのが救いか
地蔵倉7
一本松から少し崖の山道を登ると、ようやく斜め下方に小さなお堂が見えてきた
地蔵倉8
無数の小石がむき出しになった白い崖に抱かれるように地蔵倉が立っている
この崖に小さな穴が開いており、そこに紙縒りを結ぶと願い事が叶うという
地蔵倉9
1200年前、豊後国から修行の旅に出ていた源翁が、山中で老僧に出会ったことが肘折温泉の開湯に繋がる
その老僧は地蔵権現の化身ともいわれ、住んでいたのがこの岩窟らしい
地蔵倉10
完全に頭上の岩陰に収まっていれば、投入型の懸造りだったが、惜しくもそうではなかった
人里離れた立地や白い絶壁にポツンと立つ姿から、どことなく和風な感じがせず、大陸的な雰囲気が漂う
PHOTO BY OLYMPUS E-620, SEP. 2012