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少彦名神社
参籠殿

少彦名神社 参籠殿
正式名称/別称すくなひこなじんじゃ さんろうでん
少彦名神社 参籠殿
規模
★★★☆☆
斜面部:自然懸崖
懸造り部:木造 桁行五間 梁間六間 貫六段 筋交あり 懸崖型 束柱33本 高さ最大13m
上屋部:木造 入母屋造り二重屋根唐破風付き 桟瓦葺き 桁行五間 梁間六間 土足禁止
文化的価値
★★★★☆
昭和9(1934)年 建立
2014年文化遺産ウォッチ(ワールド・モニュメント財団)
平成26(2014)年 修復
大洲市指定文化財
2016年ユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞最優秀賞
平成28年度大洲市きらめき大賞
宗教的価値
★★☆☆☆
祭神:少彦名命/おすくな様
秘境度
★★★★☆
山道あり 石段あり
〒795-0083
愛媛県大洲市菅田町大竹乙937-2
眺望
★★☆☆☆
北面よりほぼ三面、大洲道路と目の前の林が見渡せる
四国の懸造りは愛媛県に多いのだが、そのほとんどが何故か大洲市に集中している。中でも象徴的な存在なのが、この少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)の参籠殿(さんろうでん)だ。建築としての歴史は浅いものの、ドラマチックな展開で一躍、世界に名を広めた。
少彦名神社 参籠殿1
第二次世界大戦後〜平成の時代にかけて、神社が管理者不在の状態となり、 いくつかの堂宇が老朽化、荒廃していた
その結果、現代建築の保存活動を展開していたワールド・モニュメント財団の 「危機遺産」に登録されることになる
少彦名神社 参籠殿2
多くの方の寄付や助成支援を受けて、平成26年に参籠殿の修復工事が完了し、 現在見られる姿になった
懸造りの修復では、所々にもともと使われていた木材もそのまま残された
少彦名神社 参籠殿3
横から見ると分かりやすいのだが、上屋床面のほとんどが地面に接していない
本当によくこんなところに、この規模の物を建てたなと思えるし、 老朽化しても倒壊しなかったところが驚異的だ
少彦名神社 参籠殿4
正面から見た参籠殿
入母屋と唐破風の組み合わせが、どことなく道後温泉本館を彷彿とさせる
少彦名神社 参籠殿5
三面がガラス張りの上屋の内部空間は、広々としていて抜群の解放感
少彦名神社 参籠殿6
束柱は高いところで13mにもなるというから、清水の舞台並み
ここまでの規模の懸造りはそうそうお目にかかれない
高さのある懸造りほど下から見上げた存在感と、 上から見下ろした恐怖感がたまらない
少彦名神社 参籠殿7
参籠殿前に新築されたトイレ棟兼社務所
こちらも少し、斜面に迫り出した造りになっている
木造で丁寧な造作なので、落ち着いた雰囲気
少彦名神社 参籠殿8
下宮の近くには、修復工事の際に取り外されたかつての柱や木材が保管されていた
こういった物が残されているのも、とても興味深い
PHOTO BY OLYMPUS E-620, MAY 2017