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岩崎観世音
奥の院

岩崎観世音 奥の院
正式名称/別称いわざきかんぜおん/つるのこかんぜおん おくのいん
岩崎観世音/鶴の子観世音 奥の院
規模
★☆☆☆☆
斜面部:自然懸崖 岩屋あり
懸造り部+上屋部:木造 桁行二間 梁間一間 貫二段 懸崖型 内側階段あり(木製)
文化的価値
★★☆☆☆
創建年代不明
昭和51(1976)年 鉄骨で再建
平成22(2010)年 再建
宗教的価値
★★★☆☆
開基:弘法大師空海
本尊:鶴の子観世音菩薩/子授け安産の観音さま
秘境度
★★★★☆
山道あり 石段あり
〒321-1104
栃木県日光市岩崎1024
JR日光線文挟駅より徒歩約15分
眺望
★★★☆☆
西面(正面)より、目の前の夫婦杉や日光連山の山々が見渡せる
日光杉並木で有名な、日光例幣使街道(にっこうれいへいしかいどう)のすぐ近くに岩崎観世音(いわざきかんぜおん)がある。まんが日本昔話にも出てきた子宝祈願の鶴の子観音はここの奥の院で、断崖絶壁の割れ目の奥に祀られている。
岩崎観世音 奥の院1
ちょっとした杉並木と石段を登った先にある、岩崎観世音の中堂
岩崎観世音 奥の院2
中堂脇から奥の院へ向かう途中の岩場にも、いくつか石仏があった
ここにお堂を建てれば、そのまま懸造りができるんじゃないかと...
岩崎観世音 奥の院3
急斜面の山道は途中から工事現場のような鉄骨階段になるが、歩きやすいとはいえ、趣が損なわれる
岩崎観世音 奥の院4
奥の院は懸造り部と上屋部が一体化しており、内側の木製階段を登っていく
岩崎観世音 奥の院5
絶壁の隙間の階段を一往復したところが、床板が張られてベランダ状になっている
岩崎観世音 奥の院6
そこからもう一つ階段を進んだ先が、本尊の祀られた厨子が安置されている
PHOTO BY CANON EOS-RP, OCT. 2019
険しい岩場に仏像を祀ったところから懸造り建築ができたといわれているが、ここでは野ざらしになった石仏や、断崖絶壁に工夫を凝らして建てた堂宇が見られたりと、原始的な宗教観が残されていると感じた。

古文書・古画に見る懸造り

岩崎観世音関係者の方よりいただいた、奥の院の古写真

平成21(2009)年の再建前に撮影
岩崎観世音 奥の院・古写真1

岩崎観世音 奥の院・古写真2

平成なので古写真というほどでもないが、現在見られる木造に再建される前の先代のお堂の写真。

上:昭和51(1976)年に再建された、赤い鉄骨造の奥の院。現在のとほぼ同じデザインであることがわかる。
下:鉄骨堂宇を解体した後の写真。岩屋の最深部に木製厨子が安置されている。

奥の院は近年では、33年に一度の御開帳にあわせて再建されている。昭和51年まであった先々代以前の堂宇が懸造りかどうかは不明だが、下の写真の立地を見る限り、懸造りだった可能性は非常に高い。ちなみに、明治18(1885)年には、奥の院の堂宇があったという記録がある。