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阿伏兎観音

阿伏兎観音
正式名称/別称かいちょうざん ばんだいじ かんのんどう
海潮山 磐台寺 観音堂
規模
★☆☆☆☆
斜面部:整地基壇(石垣)
懸造り部:なし
上屋部:木造 朱塗り 桁行三間 梁間二間 一重寄棟造り 本瓦葺き 勾欄付廻縁
文化的価値
★★★★★
重要文化財
創建年代不明
元亀年間(1570〜1573) 再建 ※木造懸造りだったと思われる
寛永寛文年間 補修 ※懸造りから石垣に改築
宗教的価値
★★★☆☆
本尊:十一面観世音菩薩
備後西国札所 第三番
瀬戸内観音霊場(札所) 第二十四番
秘境度
★★★★☆
山道なし 石段あり
〒720-0312
広島県福山市沼隈町能登原
JR福山駅からバス約60分、下車後徒歩約3分
眺望
★★★★☆
南面よりほぼ三面、瀬戸内海が見渡せる
福山市の南部、瀬戸内海に面した沼隈半島の南端に阿伏兎岬がある。海に突き出た断崖絶壁の上に小さな観音堂があり、これが阿伏兎観音(あぶとかんのん)と呼ばれる。現在は岩の上に築かれた石垣に観音堂が乗っているが、かつては木造の懸造りだったらしい。

阿伏兎観音1

古き良きの瀬戸内の港町の面影を残す鞆の浦から、バスを乗り継ぐこと約20分で阿伏兎に到着

阿伏兎観音2

狭い境内から回廊のような石段を登り、観音堂に着く

阿伏兎観音3

石垣の脇に鞆の浦のような灯篭もあり、瀬戸内もよく見渡せる

阿伏兎観音4

それにしても、ちょっとでも足を踏み外そうものなら海に落下しそうな、すごい断崖絶壁の立地だ
PHOTO BY CANON EOS-RP, SEP. 2020

古文書・古画に見る懸造り

『六十余州名所図会 備後 阿武門観音堂』

浮世絵
歌川広重 画
嘉永6(1853)年 刊行
阿伏兎観音・浮世絵
初代歌川広重が日本全国の名所を描いた浮世絵木版画の連作シリーズのうちの一作。 現在は、石垣で固められた岬の突端に立つ観音堂が、かつては懸造りだったことがうかがい知れる。 ただし、この浮世絵が制作された時代には既に石垣だったようなので、歌川広重は過去の姿を想像して描いたのだと思われる。