HOME | 懸造りコレクション | 懸造り一覧(都道府県別) | 懸造り一覧(宗教別) |
---|---|---|---|
懸造り訪問履歴 | 懸造りランキング | 懸造り用語集 | 古文書・古画集 |
真田氏と懸造り | 掲示板 | 参考文献、リンク集 | 更新履歴 |
番外編:仏塔 | 番外編:さざえ堂 | 番外編:天守 | 番外編:湯屋 |
|
|
|||||||||||||||||||||
播州の空に白鷺舞う戦国時代に諸大名の居城として建築された数多くの城郭のうち、当時のままに現存し、なおかつ美しい天守閣として誰もが認めるのが、播州姫路城であろう。14世紀に赤松氏によって最初に築城されて以来、羽柴(豊臣)秀吉、池田輝政など有力な武将たちにより増改築が重ねられた結果、戦に備えて武装した堅固な城となった。しかしながら、そんな高度に完成された城の機能も、実戦において役立った例は少なく、戦火や災害にも見舞われることもなかったため、「不戦不焼の城」と呼ばれる。そのおかげで、国宝や世界遺産にも指定されたのは、城としての数奇な運命というか、完成度と美しさの賜物というべき結果であろうか。 | ||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||
姫路城の前に立って天守を見上げると、日本独自の木造建築様式の中で、これが世界に誇れる最高傑作であると、文句なく納得できる。世界でも有名な歴史的建造物の例を見ると、そのほとんどは宗教色か強大な権力色を誇示したものであるが、日本の城郭建築はどちらにも属さないものだと思う。天守という存在自体が権力の象徴といえるかもしれないが、堀や石垣、郭などから成る防衛のための建造物として考えると、城主が座すべき最深部として、実に機能的な構造である。そういった技術の粋を集めた物の中に、様式美という要素も一つ付け加えるところが、庭園建築などにも通じる、四季やわびさびを楽しむ日本人ならではの感性といっていいだろう。 |