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大洲市内四件目の懸造りがある、臥龍山荘(がりゅうさんそう)を訪れた。少彦名神社から始まって、ここまでわずか3時間程度。この密度の濃い城下町には、全くもって驚くばかりだ。この臥龍山荘も建物の数こそは少ないが、様々な要素がぎゅっと詰まった、非常に日本的な空間だった。 | ||||||||||||||||||
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さて、ここまで大洲市の懸造りをめぐってみて、この密度の濃さは、真田氏の里の一つ長野市の松代以上かと思えた。なぜこの地域に密集しているのかを考えるのに、大洲市や肱川のことを調べてみると、不思議と松代に共通する事項を見つけた。「盆地」「城下町」「水害」「朝霧」である。真田のページでも懸造りが多い理由として、水害を含む天災に備えるためと、治水利水に力を入れた城主を挙げたが、前述の要素のうちこれにハマらず残ったのが「朝霧」になる。 朝霧が多い地域だと、懸造りを建てたくなるのだろうか。低い位置に立ち込める霧を高い崖の上や山の斜面から望むには、懸造りは確かにうってつけの建築ではある。 蛇足だが、松代からもほど近い筆者の郷里・長野県須坂市には、臥竜山、臥竜公園、竜ヶ池という名所があり、また古い蔵が残る製糸業の町であることから、この大洲はとても他の地に来た気がせず、親近感を覚えた。ちなみに須坂にも蔵の町並みの一角に、懸造りが一つ存在する。 |